ユビキタスの実現には10年必要?
ITメディアにESECで行われた東大坂村教授の講演が紹介されていたのでリンク。
「ユビキタスはすなわちインフラであり、社会としてこの構築こそが最も重要視されるべきもの」というのが坂村氏の常に強調している点だ。「一般的にインフラの構築には10年20年といった時間がかかる。民間(企業)だけでなく官を含めた国家全体として取り組む必要がある。ユビキタスとはそういうものであるということを周知しなければならない。ましてや2~3年程度でビジネスにしようというのはとうてい無理」として、昨今の企業内で置かれがちないわゆる「ユビキタス事業部」といったものの即時的なあり方を否定した。
ユビキタスという言葉の意味を簡単に紹介すると、ラテン語の“ubique=あらゆるところで”という形容詞を基にした、「(神のごとく)遍在する」という意味で使われている英語。つまりユビキタス・コンピューティングとはユーザーにとって目に見える形でコンピュータが存在せず、「人間の生活環境の中にコンピュータチップとネットワークが組み込まれ、ユーザーはその場所や存在を意識することなく利用できるコンピューティング環境」をいう。
もっとありていに言うなら「神は見えないがどこにでもいる=コンピューターは見えないがどこにでもいる」が転じて、どこにいても必要な情報を手に入れるくらいの意味で使われる事が多いです。そう考えてみると普段なにげなく使っているWEBやメール機能を持った携帯電話はユビキタスコンピューティングのもっとも身近な入り口といえます。
10年かかると言われても、iモードサービスやユビキタスという言葉が使われだしてからもう何年もたっており、お財布ケータイやらパケット定額という民間主導のインフラは既に準備されているのです。相変わらず民間主導の時代の流れの速さを理解できてないなぁというのが坂村教授の講演内容を知っての小生の感想。TRONの時もそれで失敗してるのにね・・・。ちょっと前のエントリーで書いた無線LANについて行政の後押しが必要と書いたけれど、行政におんぶにだっこでは物事は進まないのです。強烈な推進役がいて、その後押しに行政や企業が絡んでくるというのがメインストリームになるには必要なのです。坂村教授にはむしろもっと強引な展開をするくらいの「実働」をしていただきたいんですが・・・。
ちなみにリンク先に「ユキビタスという言葉の生みの親は自分(坂村教授)」と受け取れるくだりがありますが、もともとは米ゼロックス パロアルト研究所のマーク・ワイザー(Mark Weiser)氏が1988年に提唱したコンセプトです。わけのわからん自己主張だけは相変わらず得意ですね>坂村教授
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